ネクストビジョン ありまです。
昨年(2015年)は日本ラグビー熱が急上昇した年でした。
ラクビーワールドカップ2015で24年ぶりに、しかも世界ランク3位の南アフリカに勝利したことがきっかけですね。
海外でも「W杯史上最も衝撃的な結果」、「スポーツ史上最大の番狂わせ」と大きく報じられました。
さらにアメリカやサモアにも圧勝し、勝ち点が僅か足りず決勝トーナメントは逃したものの「奇跡の勝利」「歴史的勝利」ともいえる快進撃でした。
なかでも大活躍したのが「五郎丸ポーズ」としても知られた五郎丸歩選手。
五郎丸選手は2015年のワールドカップではそれこそエースでしたが、前回の2011年のワールドカップでは選ばれなかったそうです。当の本人は自分こそ選ばれると思っていたのが選ばれず、随分なショックと挫折を味わったと言っています。慢心になっていた自分に気づき、一から出直すつもりで相当の練習と努力をしてきたそうです。
それまでの練習では、チームみんなで行う練習で「得意分野を発揮」し、ひとりで行う練習で「不得意分野を補う」やり方をしていたそうです。
しかし屈辱を味わったあとは、チームみんなで行う練習で「不得意分野に注力」し、ひとりで行う練習で「得意分野を伸ばす」ことにしたのだとか。
みんなの前ではかっこ悪いところを見せたくない。人にはいいところを見せたい。なので、なんとなく、みんなの前では得意な部分をみせつけて、こっそり不得意な部分を練習する・・・そんなふうにしそうなものです。
しかしひとりぼっちで練習していて、不得意なことを上手にするのはかなり難しいことです。
格好つけようなんてせずありのままの自分でいて、不得意もある自分をチームのみんなにさらけ出して、周囲から素直に学ぼうとする。そういう姿勢でいれば足りなかった部分の実力を仲間が自然と引き上げてくれます。
結果、五郎丸選手は真の実力を身に着け、見事日本ラクビーを世界レベルに引き上げるまでになったわけです。
私たちは普段仕事をしていて「みんなから良く見られたい」という「我」が時折悪さをすることがあります。
みんなに格好よく見せようとして、できるふりをしてみたり、ちょっとしたミスや失敗は誤魔化そうとしたり、責任は誰かに押し付けようとしてみたり・・・。そんなことだと反省もない成長もできるわけがない、だから同じミスを何度も繰り返すだろうし、いずれ大失敗を犯すようにもなります。
みんなに良く見られたい、みんなに認められたい、そんな気持ちが強すぎると、結局最後はひとりぼっちになってしまう・・・そんなことがありうるのです。
誤魔化したりせずにありのままの自分でいて、不得意もある自分をさらけ出して、みんなから素直に学ぼうとする。そんな姿勢でいることこそが真の実力がもたらされるのだ。そう思います。
日本のラクビーでは「One for All, All for one」という言葉をよく使います。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」
元々はアレクサンドル・デュマ著の「三銃士」という小説の中で銃士達が剣を合わせ誓う言葉なのですが、日本ラグビー独有の「One for allの精神」として広く知られています。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」・・・個人主義に偏ることなく、みんなと一人ひとりが互いに信頼しあい協調して成長していく。
会社組織というものも、そうやって成長していかなくてはならないですよね。
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