M&Aに学ぶ。

ネクストビジョン ありまです。

過日になりますが、当社もM&Aというものを経験し、子会社というものを持つに至りました。今回のブログではその経験を通じてM&Aについて少しだけ勉強したことを語りたいとおもいます。
M&Aは最近とても活発になってきた印象です。私の周辺でもそのような話をよくきくようになりました。
やはり、少子高齢化にともない経営者も高齢化が進んでいます。後継者に悩む経営者が悩みに悩んだ結果、最後にたどり着く選択肢としてM&Aをとるケースがとても多いようです。

売り手側にとっては、事業承継問題の解決のみならず、会社と社員を成長させる手段として、また、当社も経験した買い手側にとっては、少ない時間とリスクで必要な経営資源を手に入れる手段として、M&Aに関心を寄せる経営者が増えてきたというわけです。

ですが、M&Aが「身近な経営戦略」になってきたのにもかかわらず、いや、むしろ身近になったからこそ、双方の経営者が十分な知識や情報をもたないまま、合併や買収を行い、統合のシナジーを実現できないケースもまた多いと聞きます。

M&Aは、「成約」がゴールではありません。
M&Aとは、合併や買収の成立という節目の一時点を意味しますが、本来のM&Aとは、その前後を含めた、ダイナミックな企業の統合過程そのもののことです。
その意味で、企業が真の統合を成し遂げるまでの取組み、つまり「PMI」こそ、M&Aの成否を決めることになるのですね。
※PMI(Post Merger Integration;「買収に伴う事業・組織・機能の統合」

「PMI」と一言でいっても、買収する目的や目指す事業シナジーによってその具体的な内容やプロセスは案件ごとにすべて異なります。
しかし、どういった目的であれ、M&Aの成功を左右する「組織・人事・ガバナンス」という要素は共通しています。こうした共通の要素をうまく引き出し、違いをまとめる。いやはやPMIって結構大変です・・・。
企業価値の向上を実現するために必要となるPMIの取り組みとはどのようなものなのでしょうか。

  • M&Aの目的は、買収した企業とのシナジーを高め、1+1=「3」にも「4」にも企業価値をバリュー・アップすることにあります。しかし多くのM&Aは、それを実現できていないどころか、毀損してしまう場合もあります。

  • M&A におけるPMIとは、本来、買収契約を締結する前に行うデューデリジェンスから始まります。別の見方をすると、買収後の経営統合ビジョンに基づき必要となるPMI のアウトラインがまずあり、デューデリジェンスは、そこから逆算して、どういったポイントにフォーカスして精査・確認を行うかを本来は考えるべきです。

  • PMI と一言でいっても、案件によってその内容やプロセスはすべて違うのでしょうけれど、その成否を分けるポイントは、M&A 後の新事業戦略を支える「仕組み」を新会社に埋め込むことができるかどうか。ここでいう「仕組み」とは、事業シナジーを生み出すための企業活動を支える様々な制度・ルール・システムなどのコーポレート・バックボーンのことです。「組織・人事・ガバナンス」「財務・会計」「法務・リスク・コンプライアンス」「IT システム」などがそれにあたります。いやぁー、会社全体を俯瞰してグローバルに、そして細かなことも見逃さないようローカルにも考えないと。広く細かく・・・大変です。

  • 成長戦略を実現するためのM&A戦略には「PMI」は絶対に欠かせません。企業の目的に対してPMIは、ハード面(組織、人事制度)とソフト面(企業・組織文化)で様々な内容になります。シナジーを創出して企業価値の向上を実現する、M&Aの出口としてのPMIを確実に実施していきましょう。


と、まあつらつらと私も勉強過程ですが思うことを書いてみました。

つまりは、「成約」がゴールではなく、始まりだということです。
成約後に行うPMI次第でその成約が成功にも失敗にも変わるということですね。
これからM&Aを考えている方へアドバイスになれば何よりです。

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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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