地域が家族の国フィリピンで学ぶ経営計画

ネクストビジョン ありまです。

先日、志を同じくする経営者の仲間たちと共にフィリピンの第二の都市でありリゾート地でもあるセブに行ってまいりました。
とはいえ実際に滞在したのは隣の島であるマクタン島でしたが💦
経営者としてのマインドを磨きなおし、わが社の経営計画書を作り直すことが目的の合宿です。
山ごもりに近い状態で、経営者仲間と半ばホテルの会議室に缶詰め状態での研修となりました。
「なんでセブ?」(実際はマクタン島)と疑問に思われたことでしょうが、こういう場所の方が、日本を外から客観的に見てグローバルな感覚と新鮮な気持ちでわが社の事業を練り直せるのであります。
それにわが師匠が行くところにはどこでも馳せ参じるのが、われら弟子の務めというもの💦
研修の中身についてはおいおい機会があればまとめることとして、今回はフィリピンという国について少々学んだことを語りたいとおもいます。
フィリピンは国土が日本の8割ぐらい。同じ島国で海洋国家。人口も1億ちょっと。スペックは日本によく似てますね。
じつはフィリピンって国、ASEAN10か国の中でインドネシア、タイに次ぐ経済力を誇っています(2016年)。
その昔は東南アジアの病人とまで言われぐらい最低の国だったそうですが、日本からのODA支援などの効果があり近年目覚ましい発展を遂げてきました。
しかしそれでも貧困国・途上国から脱却できていません。
世界銀行によればフィリピンの貧困率は2019年時点で20.8%です。ざっくり国民の4人にひとりが貧困。という状態なのです。しかも2018年時点で国内の240万世帯が飢餓に苦しんでいるのです。
経済は良くなりつつあるのに貧困がなくならないのは、一握りの金持ちと大勢の貧しい人々による国家体制。まさにスーパー格差国家なわけですね。
なぜフィリピンは貧困が続くのか。
理由はいろいろあると思いますが、私なりに感じた答えを一言でいえば「現状の満足による向上心の欠乏」です。
私たちは「今の暮らしを少しでも良くしたい」と考えます。そしてそのために自立して一生懸命働く。さらに収入を得るためにどうすれば良いか、人は試行錯誤して、努力を重ねています。かつて日本という国も戦後直後はぐちゃぐちゃだったはず。いまのフィリピンよりもよっぽどひどかっただろうと予測できます。
その日本を復興し急成長できたのは、なによりも国民ひとりひとりの向上心と自立心による結果だろうと思います。
しかしフィリピンでは向上心や自立心が育っていません。「誰かが何とかしてくれる」と他人に委ねる体質が根っこまで定着してしまっているのです。事実、経済も産業も、ほぼほぼ日本のODAなどの他国からの支援で成り立ってきました。
今回の私たちの旅は、今の会社をもっともっと良くするためにはどうすればいいのか?高収益型事業構造を自分自身でつくるためにはどうすればいいのかを考える研修でした。そのために向かったフィリピンはその向上心と自立心がかなり欠如した場所だっわけです。その対比がすごいです(笑)
「誰かがなんとかしてくれる」
自分が働かなくても誰かが食べさせてくれる。食べるものがなければ誰かが分けてくれる。
フィリピンではいくら貧困であっても、飢えで餓死してしまう人はほとんどいないそうです。なぜなら誰かが何とかしてくれるから。。。
街を歩くとその現実がわかります。彼らに明日の生活を豊かにしたいと言う向上心を感じません。
頑張らなくてもなんとかなってしまう社会では、貧困から抜け出せるわけがないですよね。。。
「今が楽しければそれで良い」
それに、彼らには人生の目標やプランを考えるということがあまりないようです。
その日、その年の生活さえ良ければいい。日々の生活さえよければそれでよい。そのうち何とかなるだろうという感覚が強いのです。
このようにこの国をみてみると、「働くこと」を真剣に考えさせられます。
この国には申し訳ないですが、この国のように日本がならないようにするために、「誰かに依存していてはダメだ」「自分の力で動かないとダメだ」「長期的なプランをしっかり考えて計画的に事業を進めないとダメだ」という気持ちが沸々とわいてきます。そして強烈な”焦り”がわいてでてきます。
フィリピンで合宿をおこなう。師匠はそのことを学ばせたかったのかもしれません。
ただフィリピンの人はどこに行っても人懐っこいですね。そして助け合いと分かち合いができるやさしい人たちです。
どこに行っても気軽に声をかけてくれて、すぐに友達になれる。素晴らしい風土です。
そしてどこの地域にも子どもたちがたくさんいて楽しそうに遊んでいます。そして地域がみな家族のように仲が良くて、日本の昭和初期の田舎の様子のようで懐かしく感じます。
今の日本では希薄になりつつある、家族愛・隣人愛・地域愛がここでは満ち足りていて、とてもいい雰囲気をもっています。
そしてなにより子どもたちがとても幸せそう。
とても懐かしく新鮮でうらやましく感じる面を持った国です。

道中、島のお祭りに遭遇。みんな楽しそう!

日本をもっともっと良い国にしたい。
そのためにできる限りの知恵と努力で事業展開をしていきたい。
高収益型事業構造をつくり、多くの人々に貢献していきたい。
フィリピンに学び、そう感じた今回の旅でした。
セブはまだまだスラムも多いのですが、屈指のリゾート地だけあって素晴らしい場所もたくさんありました。海が奇麗なのが最高でしたね!
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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