◆それは敬語?
先日ある方から
「出向先で部長が帰るときに『ご苦労さま』って挨拶したら『きみは常識をしらんな』と怒られました。せっかく挨拶したのに・・なんで?」
そんな質問を頂きました。
皆さんはどうしてだと思いますか?
答えは「ご苦労さま」は目上の方に対しては使えない言葉だからなのです。
昔の話しですが、お客様が来られて「そこの椅子にお座りしてお待ちください」と応対をされてた社員の言葉を聞いて注意したことがあります。
なにがいけなかったのか、皆さんは分りますか?
「お座り」なんかペットに命令しているようで「失礼な!」となりかねません「おかけになって・・」が正しいのです。
何でも“お”をつければ敬語になるのではないことはおわかりと思いますが、とっさにでた言葉で失敗しないよう気をつけたいものです。
◆敬語は「差」を埋める“調和語”
ある日、JRで山口県での作業が終了して会社に向かっていた時のことです。
私の前に立っていたおなじ年頃の3人の男子学生の会話です。
真ん中に立っていたA君がB君の方を向いて、
A君「あの、岩国に着いたら、なにか食事していきませんか」
B君「ああ、そうだなあ」
今度はC君の方にむいて
A君「おい、岩国に着いたら、めしでも食うか」
C君「ああ、そうだね」
このA君の言葉づかいをどう思いますか?
見知らぬ学生たちですが、これを聞いていた私にはこの3人の関係がわかってしまいました。
A君は立派でした。
二人との「差」をしっかり把握し、それに応じた言葉を選んで話してたのです。
ちゃんと待遇表現を心得て話してたのです。
まわりの人との関係をうまくスムーズにしていくときに、お互いの間にあるもろもろの「差」を補い、人間関係の調和をはかる言葉づかいが敬語と思います。
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