ネクストビジョン ありまです。
新年、明けましておめでとうございます。
景気の回復の兆しが見えてきていますが、ここのところ日本の電機メーカー各社は少し元気がないようです。長年の赤字体質から抜け出すこともできず、必要とされるモノづくりにまだまだ苦しんている様子です。
電機業界全体がなかなか難しい状況にあるということもあると思いますが、それ以外の原因として「以前のようなおもしろい製品が生み出せていない」「創業者が持っていたものづくりの心を失った」「新興国に目を向ける判断が遅かった」「高性能にこだわりすぎた」などなど、色々なことを色々な人から言われてきています。
最も大きな原因として考えられるのは「常識に凝固まってしまい大胆な改善が進まなかった」という点のようです。大企業であっても、常識に縛られていてはダメになってしまうものなのでしょうか。
つまり、常識というあたり前の考え方を真面目にひたすら行い続けていても、他を超えて優位に立つことなどできるわけがないということのですね。
業界は違いますがあのHONDAが1972年に販売開始し世界的にヒットした「シビック」に搭載されていた「CVCCエンジン」は、当時としては画期的な低公害エンジンでした。
低公害を目指すとパワーが落ちる、ハイパワーを目指すと有害ガスが出やすくなる。この両面の課題を解決したのが、ガソリンが濃い目の混合気と薄めの混合気の2つの燃焼室の部屋を作るというCVCCの画期的な発想でした。
※CVCCについての詳しくはこちら http://www.honda.co.jp/suzuka/detail/engine.html
その世界のHONDA・本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏は、生前ことあるごとに「不常識を非真面目にやれ!」と社員たちに激を飛ばされていたそうです。
本田宗一郎氏の慧眼な所は「非常識」「不真面目」だけでなく「常識」や「真面目さ」さえも否定していたことだと思います。
「単に『非常識=めちゃくちゃ』なことをやっても、なにも生まれない非常識ではダメだ。
めちゃくちゃなことをするのではなく、常識の枠を越えた『不常識=新しい常識』をつくるのだ。そして新しい常識をつくるためには、頭でっかちにならずに「非真面目」な自分でいることが重要なのだ。」~本田宗一郎は語る:不常識を非真面目にやれ 本田宗一郎著~より
常識的なことを真面目に行うだけでは、平凡で横並び・・・。高い評価を受けることも競業他社から勝ち抜けることもできないでしょう。
しかし常識の枠を超えるといいながら「非常識」な考えや行動では社会に認められることはできせん。しかも「非常識」からは何も生まれません。それは単なる「めちゃくちゃ」なことでしかないのです。
大切なのは、自分たちが考える全く新しい発想が、次に必要とされるモノに成り得るかどいうかです。「不常識」とは、〝次の新しい常識〟になれるだけのポテンシャルを持っていることが大切なのです。
「非真面目にやる」とは「楽しく新しいことを考えよう」ということだと考えています。つまり、高い目標を達成したり難しい問題を解決するためには、真面目に取り組むだけでは前に進まないこともあるでしょう。仲間とのノリや勢いによって盛り上がって生まれるモノ創りもあります。こうしてボトムアップ的に会社全体が良い方向変わることだ
ってあるわけです。
HONDAは「CVCC」という不常識で非真面目な挑戦によって、その名前は世界に知れ渡ることになりました。しかも今では低燃費エンジンの常識的な手法となりました。
そして、宗一郎氏亡き後も「不常識で非真面目」なDNAは確実に受け継がれているようです。
現在大ヒットのフィットは、燃料タンクをフロント席の下に置くという不常識により、広い室内空間を可能にしました。この「センタータンク・レイアウト」はいまやホンダ車の常識になっています。
Aピラー(フロントガラス左右の柱)を、当時の常識とは逆に(不常識に)極太くする事で、よりコンパクトな車を作ることに成功したなど、さまざまな奇抜ともいえるアイデアで業界をリードし続けています。
私たちも私たちの手で新たな常識を作っていきたい!
そんなことを新年より考えております。
どうぞ本年もよろしくおねがいいたします。
「Won’t you realize your next vision with us?」
夢を実現し、共に素晴らしい一年にしましょう。
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