酪農IT企業の終焉!?

ネクストビジョン ありまです。

生産性の名のもと、「服装自由」「フレックスタイム制などの導入で勤務時間自由」
「挨拶・礼儀などビジネスマナーに厳しくない」「固っ苦しいことは何一ついわれない」
なんていう会社。

これを「酪農企業」と呼ぶそうです。

酪農とは放牧。
牛を自由にさせて乳を出させる。いい乳さえ効率よく出してくれれば何しててもいい。
だが、いい乳がでなくなったらバッサリ殺処分です。

「酪農企業」とは、自由を売り物に技術者を自由にさせておきながら、
いい製品が作れなくなったり生産性が上がらなくなったらバッサリ・・・。
そんな企業のことをいうのです。

「自由にしてていいよ」なんて言ってくれる会社は、一見いい会社に思えますよね。
でも、技術者が一生いい製品を作り続けられ、生産性を発揮し続けられるならいいのですが、
そうでなくなったらその先どうなるのでしょう。

いずれ将来は管理職になってもらったり、営業や担当責任者として
お客様に直接関わる仕事をしなければならなくなるかもしれない。
そんな時のために普段から社会人として必要なルールやマナーが身に付いていなくて
本当にそれで大丈夫なのでしょうか。

私はこれまで多くの人の採用面接をしてきました。

わが社はIT企業ですから当然、SEやプログラマーと呼ばれる技術者の採用面接を
行ってきたのですが・・・

・挨拶やお辞儀が下手。
・名刺交換の仕方も知らない。
・スーツの着こなしが不自然。
・しゃべり方、敬語。なんか変。

結構お会いすることがあります。
そんな人に限って、昔作ったシステムの自慢話は上手だったりして…。

いくらすごい技術力があっても、人として通用しない人はNGです。
技術者なのだから技術力があるのは当たり前です。
大切なのは技術者である前に、
「開発者」として「社会人」として「人」として認められるかどうかですよね。

私は、会社が社員として採用し迎え入れたからには、
『その人の将来の人生を見守る責任がある』と考えています。

だからこそ、エンジニアとしての技術力だけではなく、
『社会人として必要な考え方やマナーや良識を身に付けてもらわなければならない。』
そう思うのです。
だから時に厳しいことを言うこともあります。激しく叱ることもあります。

酪農IT企業で長らく放置された環境に慣れていた技術者から見れば、
インパクトがあることかもしれません。
でも、何も言われないより言われることの方が絶対にいいに決まっています。

優しいという字は「人を憂う」と書きます。
相手の将来を案じ憂う気持ちが「優しさ」といえるのです。
何も指摘されず、放置されることが「優しい」ことでしょうか!?
ましてや家族に最も近い存在ともいえる同じ釜の仲間達を、どうして放置できるものでしょうか。

東京で知り合ったIT企業の多くの社長達いわく、「酪農IT企業」は
これから東京でも淘汰され消滅していくだろうとのこと。

これからは技術者であっても、一人の社会人として世の中で生きていくために
本当に必要なことを教えてくれる会社が必要とされているのだと。
だから「叱れる会社」が必要なのです。

そんな会社にお客様からの信頼は集まるものです。
社員一人一人の将来を見据えた会社運営をしていきたいものです。

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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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