ネクストビジョン ありまです。
通販新聞社が2012年に実施した「通販通教売上高ランキング調査」によると、今回もアマゾンジャパンが4800億円で一位だったとか。あのベネッセが2位で、2400億円で、ほぼ2倍の差というから圧倒的なトップです。しかも、年々1.3倍~1.5倍という驚異の伸びを続けています。
そんなアマゾンジャパンの市川の物流センターの廊下には「KAIZEN」の標語が張られ、カイゼン提案件数ランキング、実施件数ランキングなどが、顔写真とともに掲載されています。
「日本ではアマゾンは成功しない」と言われながらも、2000年のサービス開始以降、日本独自の閉鎖的な制度と圧力団体勢力に挑戦し続けています。最近では「キンドル」も「日本では電子書籍は成功しない」といわれながらも好調に売り上げています。見事に成功したその秘訣には、実は日本的なカイゼン文化を取り入れたところにあったようです。
新しいコトを切り開こうとすれば、必ずそれを拒む大きなカベに突き当たることが必ず起こります。凡人はそのカベを感じた時、あきらめて別の方向に向かおうとしてしまいがちですが、成功者と言える人達は必ずそれをあきらめずに乗り越えようとしています。
アマゾンが日本の大きなカベをぶち破った要因としては(1)システム不具合が多発した競合他社と比べ検索画面、注文画面が圧倒的にスムーズに動いた、(2)国内3位の取次である大阪屋と組んで当初より売れ筋からロングテールに至る膨大なラインナップを販売できた、(3)日本通運と組み年中無休の物流体制を築いた、などが挙げられるそうです。まさに一つの一つのカイゼンによる成果だったのですね。
「あきらめずにカイゼンし続けること」
このことに進むべき道があるように思えてなりません。
前総理大臣の野田佳彦さんの座右の銘は「素志貫徹」なのだとか。野田元首相を輩出した神奈川県茅ヶ崎市にある「松下政経塾」の玄関に入ったすぐの正面に「五誓」の一つである「素志貫徹」を拝むことができます。
「素志貫徹の事」
常に志を抱きつつ懸命に為すべきを為すならば、いかなる困難に出会うとも道は必ず
開けてくる。成功の要諦は、成功するまで続けるところにある。
「素志貫徹」は松下政経塾の設立者でパナソニックの創業者の松下幸之助さんの言葉です。
普通は「初志貫徹」と言いますが、「初志」と「素志」何が違うのかなと思って調べてみましたら、松下政経塾のHPのなかに、以下のように書いてあります。
素(もと)の志を素志といいう。すなわち、余分なものをことごとく取り払って
いったとき、最後に残るもの、最終的にこれだけは譲れないもの、それが素志である。
あのアップル社はiPhoneやiPadなど、革新的な商品により「イノベーション」を起こして成功しました。一方アマゾンは、通信販売という既存のサービスをインターネットを活用し、日本的な「カイゼン」で成功しました。
この「イノベーション」と「カイゼン」の両方を「成功するまでやり続けること」で、今よりもっともっとすごいことができるはずですね。
コメント
コメント一覧 (2件)
素志貫徹という言葉は、松下幸之助が使ったかもしれませんが、昔からあった言葉です。例えば、トルストイの『アンナ・カレーニナ』米川正夫訳 世界文学大系37 筑摩書房 昭和33年8月10日発行
の中には何度も出てきます。
そうなんですね。勉強になりました。ご指摘ありがとうございました。