理系人と文系人・互いを理解することについて

ネクストビジョン ありまです。
東京からの帰りの新幹線の中で、同席したおじいちゃんとお孫さんらしき2人の会話が聞こえてきました。

お孫さん
「新幹線って速いんだよね。300グラムあるんだよね」
おじいちゃん
「おいおい、○○ちゃん。新幹線はな、300キロあるんだよ」

食事中の私は思わず吹き出しそうになってしまいました。
速さの単位は『キロ』でも『グラム』でもないですね。
『キロメートル』です(もっというと毎時とか時速とかが必要ですが)
そうすぐに思わず考えてしまうのは私が理系人的な発想だからなのでしょうか。

でも普段我々は平気でこれに近いことをしゃべっていますよね。

『変なことにエネルギーを使わないでまともな仕事をしろよ』
『このメール重いね』
『社長のジョークに一瞬固まってしまっちゃいましたよ』

ここで使われている仕事、エネルギー、重さ、固体化など科学的に不正確か間違っています。
そこで使われた言葉の単位を考えるとその言葉の不正確さ、誤りはすぐに分かります。

ある都市で年末に大雪で停電が発生しました。
よく「これは送電線に大電圧50万ボルトが流れたためです」なんて報道されたりしますが、流れた電気の量はアンペアが単位であってボルトではないです。

同様に、仕事やエネルギーの単位はジュール、重さの単位はグラム 会話に単位をつけてみると非現実的であることがすぐに分かります。
「このメール重いなぁ」
「へー。じゃ何グラムあるの?」
なんて聞いてみたりして・・・。

こんなケチをつける人なんか普通はいないですね。
理系人的発想でしょうか。

ですが、むしろ言葉には、あいまいなところがあるからいいわけです。
第一、物理的な理屈を考えていたら詩なんかかけないし歌も歌えない。
ニュースでもアンペアよりボルトの方が雰囲気が伝わりやすいわけです。
言葉の印象とか雰囲気をつかんだ言い回しを大切にすることが文系人であれ理系人であれ大切ということでしょうよね。

早稲田大学の名誉教授で大槻義彦先生をご存知でしょうか。
この方は常に「科学的根拠は?」とつっかかる方で有名で、よくバラエティ番組によく出てきていました。(最近はどこいった?)

UFOにしても幽霊にしても、科学的に突き詰める研究をされて根拠の無いものは信じないという極端な発言で有名でした。

そんな大槻教授が著書でこう書かれています。

『私は理系と文系の対話の難しさを考えるとき、異文化交流と同じと思います。
自分たち理系の考え方を文系に押し付けようとすると絶対にうまくいきません。
むしろお互いに理系は文系の考え方を、文系は理系の考え方を理解して対話することがとても大切なのです。』

なるほど。
同じことが身近なところでありますね
『デザイン屋』と『システム屋』とか
『営業人』と『技術人』 とか・・・・

「わたしは営業じゃないので・・」とか
「僕には技術者のことは分からないから・・」
なんてなことを言ってないで、互いの仕事文化や互いの立場を理解しよう理解しようと努力して業務を前に進めていくことがとても大切ですよね。

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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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