渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ

ネクストビジョン ありまです。

以前もこのブログでご紹介しましたが、大河ドラマ「青天を衝け」なかなか面白くてドはまりしています。
2024年から発行される新1万円札の肖像画に採用されたことで注目を浴びていますが、渋沢栄一といえば、幕末から明治・大正・昭和までを生き抜いた起業家で、近代経済や近代産業が全く未発達の明治期の日本で、500を超える企業の設立に携わった「日本資本主義の父」と呼ばれている凄い人です。
今の日本を作った人と言っても過言ではないでしょうね。
そんな渋沢栄一の著書が「論語と算盤」。この本は、多くの経営者の方が「教養本」としてお勧めしている本です。
今回は、この「論語と算盤」から感じたことをお伝えします。
先に「論語と算盤」で渋沢栄一が伝えたいことをざっくり説明すると、「人間は『論語で人格を磨くこと』と『資本主義で利益を追求すること』の両立のバランスが大切である」ということです。
渋沢栄一は地元でも有力な農家に生まれ、幼いころから「武士が学ぶ論語をはじめとした人格形成の勉学」と「有力農家として米や蚕などの販売から商業」を学んできました。
栄一が幼い頃、幕末の時代は、武士が農家や商家の借金を踏み倒したり、きちんと返せなかったりと、経済が回りきっていない時代でした。
バランスで言うと、「論語100の算盤0」という状態です。
この状態ではいくら人格を磨いてもきちんと経済が回らず、社会は豊かにならないことを、栄一は学びます。
そして明治維新後、栄一をはじめ幕末を生き抜いた「論語を学んだ人」が、さらに西洋の知識と資本主義を学び、「論語50の算盤50」というバランスを実現して、明治初期の近代日本の土台を形成します。
ところが明治後期になると、子どもの頃に論語を学ばず、西洋の知識のみを学び、資本主義のお金儲けばかりを優先する人間がのさばるようになりました。
「論語0の算盤100」の状態です。
そんな状態を憂いて、「論語による人格形成」と「資本主義の利益追求」のバランスを再度取り直そうそう語ったのが、大正5年に発行されたこの「論語と算盤」だったのです。
では、なぜ渋沢栄一は人格形成のベースの本として「論語」を選んだのか?
渋沢は2つの理由を説明しています。
①論語が最も古くからある書物であり、多くのほかの書物であったり格言の大本は論語にあるから
②人の生き方として、現代に適応しても、最も誤りや、誤解の少ない本であるから
と述べています。
論語は「人間がよりよく生きるにはどうしたらよいか」、「より心豊かに生きるにはどうしたらよいか」を教えてくれます。
そして論語には「時代が変わっても変化しない人間の本質」が描かれているのです。
論語もあらためてもっと勉強してみたくなりましたが、それはさておき。
「論語と算盤」をまとめるとこういうことです。
「商売の力があるだけではダメだ、人間性が伴わないとダメだ」
どんなに素晴らしい売り上げをあげて利益を出している会社でも、経営者の素晴らしい物事の考え方や人間性が伴わないとガッカリな会社になってしまいます。
また、どんなにすばらしい経歴や才能スキルがある人であっても、正しい物事の考え方や人間性を持っていないと残念な人材(人罪・人害)になってしまうということですね。本当に必要とされる人材となるためにもスキルと人間力のバランスが大事です。
引き続き、私も会社経営を頑張ると同時に人間性を磨く努力をしていこうと思っているところです。
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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