ネクストビジョン ありまです。
時折、「捲土重来」(けんどちょうらい)という言葉を時折思い出します。
これは“失敗した者が、土けむりを巻きおこすほどの勢いで再起をはかること”です。
ちなみに「捲土」とは
“土けむりを巻きおこすこと”
「重来」とは
“再びやって来る”
という意味があり、中国の杜牧という唐の詩人が読んだ『烏江亭に題す』という詩が由来なのだそうです。
<原文> <訳>
題烏江亭 烏江亭に題す
勝敗兵家事不期、 戦の勝敗は兵法家であっても、予期できない。
包羞忍恥是男児。 恥を堪え忍んでこそ男児というもの。
江東子弟多才俊、 江東には優れた若者が多いのだから、
巻土重来未可知。 土を巻き上げるような勢いがあれば盛り返すことができたかもしれないのに。
史記に出てくるライバル同士である項羽と劉邦の最後の戦いで、項羽は劉邦に追い詰められ、もうだめだと諦めて自殺してしまいました。
詩人杜牧は、その歴史を振り返り、項羽が土けむりを巻きおこすほどの勢いで再起をはかればきっと盛り返すことができたかもしれないのにと、項羽の自害を嘆き惜しんだ詩なのです。
実は、私の会社は数年ほど前に大きな赤字の案件を作ってしまい、ずいぶん苦い思いをしました。
その時にこの「捲土重来」という言葉を強く心に想い、諦めずに頑張ったのでした。
そして数年後の今となってはその赤字案件以上の黒字経営を営んでいます。
「捲土重来」だけでなく「臥薪嘗胆」という言葉もありますが、諦めてしまうのではなく、恥を堪え忍んででも、土を巻き上げるような勢いで盛り返えそうと努力し続けることの大切さを身に染みて感じる貴重な経験でした。
ところで、私の会社の執務室に飾ってあるひときわ大きな額には「試してみることに失敗は無い」という言葉があります。
これはデイル・ドーテンという米国の起業家の言葉で、失敗を恐れず、諦めずに挑戦し続けることの尊さを教えてくれる言葉でもあります。
誰にでも失敗はあります。
かのトーマス・エジソンは電球のフィラメントを発明するのに、6,000回の失敗を重ね、その後、1,300もの発明品を生み出しました。
あの「ONE PIECE」を書いた漫画家の尾田栄一郎氏は、漫画家を目指して上京して5年間、全くの成果がない中、諦めずに歯を食いしばり頑張り続けました。こうして生まれた「ONEPIECE」はギネスに認定されています。
カーネル・サンダースが世界的な企業、ケンタッキー・フライドチキンを作りあげたのは、彼が65歳を過ぎてから。それまで40にもおよぶ職を経験し、経営をはじめ成功までに40年近くかけています。それまでに何度も破産を経験していますが・・・
私の師匠でもあり広島県初のIT企業としての上場企業であるデータホライゾンの内海社長も、上場するまでに40年近くかけられました。
京セラの稲盛和夫さんも、Panasonicの松下幸之助さんも、多くの成功者が共通して言っているのは「成功するまで諦めない」です。諦めたら終わり。諦めた時点で成功することは絶対にありえないのです。
失敗こそが糧となるのです。何度失敗したとしても、そのたびに立ち上がって挑戦していきたいものです。大事なのは「失敗を恐れず、諦めない」ことですね。
私はITのリーディングカンパニーとして、常に新たな価値を創造しお客様とともに成長し続けるため、どこの誰よりも新しい技術や可能性にチャレンジし続けなければならないと考えています。
失敗しても何度も何度も挑み続ける「捲土重来」という取り組みこそが、必ずやイノベーションを起こすことに繋がり、私たちの素晴らしい未来、そして幸福に繋がっていくはずです。
コロナ禍ではじまりコロナ禍で終わりそうな2020年でしたが、こんな変化の激しい時代だからこそ「挑戦し続ける」ことの尊さを再認識し、「捲土重来」の気持ちで乗り越えていくことが大切ですね。
社長たるものそういう気持ちでいることが、より良い仕事、より良い会社ができ、より良い未来ができていく。そう考えています。
みなさま。
本年は大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
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