戦国武将と幕末の志士との違い

ネクストビジョン ありまです。
今年のNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」ですが
視聴率も15%前後とそこそこいいようです。

ここのところのNHKは、いい番組作っていると思います。

だからということもあるのですが、
やはりこの戦国時代ものの大河ドラマには根強い人気があるのも事実のようですね。
でも、2010年に放映された、福山雅治さん主演の「龍馬伝」も良かった!
幕末の動乱の時代のお話も胸が熱くなります。

たいてい歴史モノで人気があるのは戦国時代と幕末ということに、なりますね。
ですが、どちらも、ある種のサクセスストーリであるのだけれど、どこか大きなちがいがあるように思えてなりません。

それが「志」と「欲望」の違いにあると思います。

坂本龍馬が活躍した幕末時代のドラマを見ると、幕末の志士たちの志の高さに胸が熱くなります。

戦国大名は自らを「武士」と名乗るものの「志士」とは名乗りません。
同じサクセスストーリであっても戦国時代のそれは
自分たちのため、自分たちの欲望のために他の領地を奪い合うための
戦いをしているのにすぎないように思うのです。

つまり戦国時代は「欲望」のために戦っている
だから家来が家臣を討つ下剋上が起こるし
部下も家族であっても平気で犠牲にできる。
欲望のために命を捨てている。

でも幕末の志士が活躍した時代は全く違っていますね。
当時の貧しい身分の低い人までもが、真剣に「この国のありかた」のための活動をしている。
志のために命を懸けて活動している。
だから多くの力が集まるし、結果として不可能と思えることが次々と実現できたのです。

そんな風に思えてならないのです。

戦国時代は1467年の応仁の乱から1615年大坂冬の陣が終わり
元和偃武(げんなえんぶ)といわれるまで実に150年かかっています。

それに対して1853年の黒船来航から1868年明治元年の明治政府が設立するまで
たったの15年しかかかっていません。

いかに「欲望」が混乱を長引かせ、
「志」が迅速に問題解決と平和と安泰・幸福をもたらすかがわかります。

私は会社経営も同じことだと思うのです。
自分たちのため・つまり欲望で商売をしたのでは、ほしがっている幸福は手にできにくいものです。
世の中のため、人々のためという「志」には多くの人が力を貸してくれます。
結果として幸福をもたらすことになる。

これは理想論でもなんでもないのです。現実の問題なのです。

日本人の「欲望」と「志」の違いをみても
江戸時代が始まる前と、幕末とで日本人は大きく成長し変わったように思います。
江戸幕府(徳川幕府)から300年間、日本人に一体なにがあったのでしょうか。

実は「教育」だったと思うのです。

江戸時代、寺小屋での日本の教育レベルは高くなっていきます。
そして教育を受けられる割合も高くなっていきます。
当時の寺小屋での教育内容は論語や朱子学などの儒教が中心でした。
それが日本人なりにアレンジされていき、「武士道」となっていきます。

明治にはいって新渡戸稲造が海外で紹介したのがこの「武士道」です。
こうして「仁 義 礼 智 信」の精神的な考え方が日本人に浸透していったのです。
だから幕末になって志士たちは熱く日本のために「志」を高く持てたのです。

つまり「教育」こそが「志」を育てる。
日ごろの教育こそがイノベーションを引き出す力があるのです。

会社経営においても日ごろの教育をどうするかが重要なカギといえます。
社内教育の活動に最も力を入れて事業を進めていきたい。
「志」をもって行動することこそが、
かかわる全ての人の「幸福」に繋がる最も近い道なのですから。

私は常々そのように考えています。

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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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