ネクストビジョン ありまです。
その昔、室町時代の末期、応仁の乱のおきた足利義政時代は、各武家が貧乏で借金で苦しんでいました。
一揆もおこるため見かねたバカ将軍(足利義政)が出した法律が「徳政令」。
これは簡単に言うと借金帳消し命令。
まあ踏み倒しOKだよと。
今で言うと、「不良債権も公的資金導入もなかったことにしましょう法」みたいなものですね。
ことあるごとに「徳政令」を出していたものだから道徳や秩序が通用しなくなった結果
→応仁の乱→下克上→戦国時代
となっていったのですが、そんな時代のちょっと面白い話を紹介します。(落語のネタです)
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ある町にある温泉旅館がありました。
ある日の朝、店主は今日「徳政令」が出されることを、知り合いの役人から聞いて
あらかじめ知っていました。
そこで旅館にとまっていた旅人達から、お金を直ぐに返す約束をして借りました。
昼過ぎに予定通り「徳政令」が出されると、「借りたお金は帳消しだよ」といって返さないでいるのです。
困った旅人達は少し考えてこう言いました。
「では今借りているこの宿も返さないからな!!」
店主はついに旅館を追い出され、旅人たちは温泉で幸せに暮らしましたとさ。
おしまい
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最近、ちょっと似たような雰囲気のお話を聞きました。(うちの話しではないですよ)
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ある会社に、勤務時間に不満を持つ社員がいました。
定時が9:00~18:00と決まっているですが、朝掃除も含め8:40位から仕事をはじめ、
18:00に終わることはほとんどない状況です。
昼休の時間にも電話がかかってきたりて、しないといけないことがあります。
就労規則には、こうした時間外の規定は書いてありませんでした。
そのため不満を責任者に向けて主張したのです。
「分単位で、多く働いた分の合計の給与を下さい。
毎日60分位は余計に働いているとするとひと月20時間分くらいの時間外手当にはなるでしょう」。
それを聞いた管理者はすこし考えてこういいました。
「分りました。そこまでいわれるのでしたらそうしてさしあげましょう。
ですがその代わり、あなたの休憩時間以外に休憩している時間、
タバコを吸いに行って席をあけている時間、同僚とたわいもない世間話をしている時間、
ぼーとしてよそ事を考えている時間、
その他仕事とはいえなかった時間を全て差し引きますがよろしいですか?」
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ルールを自分の都合のいいように利用しようとするとルールに泣かされるというお話しです。
日曜の9:00~の番組で「行列のできる法律事務所」という番組がありますが、
その番組の中で北村弁護士がちょろっと次のことを言われました。
「法律は必要最低限の道徳です。」
ルールさえ守っていればその行動が正しいわけではありません。
ルールの基に道徳があるのではなく道徳の基にルールがあるのです。
就業規則を守っていればなにをしてもいいということはありませんよね。
また、人はルールによって縛られているのではないのです。
互いの道徳や良心で互いが結ばれなければなりません。
旅館の亭主もお客さんも「お互い様」なのです。
会社でも「お互い様」の気持ちの良心的な付き合いが大切なのではないかなと思います。
人と人を結びつけるのは「最低限の規則」なのではなく、
相手を思いやる気持ち。それが本来守るべき「ルール」なのではないかと思います。
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