ネクストビジョン ありまです。
市場を多角化するということは、どのような会社にとっても優れた企業構造の一つの形ですね。
どんな企業にも業界の斜陽化の危険は必ずあるものです。永久に成長し続ける事業とはありえないでしょう。もしもその業界それ自体が斜陽化してしまえば、いくらその中でがんばってもダメなことです。
業界としての時期的な消長があり、業界固有の季節変動が必ずあるはず。一つの業界に棲みついていたら、それらの影響を100%受けてしまいます。
まともにこの打撃を受けたら、つぶれないまでも、大幅な業績低下や季節変動による定期的な業績低下を来たしてしまいます。この危険をさけるためには・・・、
「2つ以上の業界にまたがること!」
これです。これを通常、「多角化」と呼びます。
あれやこれやいろんな商品を作ったりいろんなサービスをすることが「多角化」ではありません。本当の「多角化」とは、棲みつく業界を多角化していくことなのです。市場そのものを多角化するのです。
例えば、自動車のゴム部品のメーカとして成功していた企業が、その優れたゴムを扱う技術を、スポーツ用のボールのメーカとして市場多角化に成功している例があります。このメーカは、自動車産業が厳しい不況にあって厳しい経営状況にある中、スポーツ製品の安定した売上げによってビクともしていません。
ほかにも、薬品と化粧品、紙おむつと生理用品、引越し運送業と中古備品販売業など・・・多数の同様の例があります。
「内部=技術は専門家し、外部=市場を多角化する」ということは、どのような会社にとっても優れた企業構造の一つの形なのです。
通常の企業は新たな市場に参入、もしくは新たな市場を開拓するということは大変なエネルギーを使います。
しかし、私たちはIT・情報産業です。IT情報産業は、あらゆる産業の下支えをしている産業です。
私たちが取り組んでいるいるITの事業は比較的、棲みつく市場を載せ変えやすいのです。
製造業向けの生産管理・品質管理のシステムの技術を畜農・養豚業界で利用する・・・
水道局の水道管の経路管理システムの技術が、鉄道の乗換案内システムとして利用される・・・など、など、専門技術の転移により、我われITIT情報産業の多角化は、他の企業に比べてもかなり容易にできることだと思います。
この恵まれた私たちのITという環境を利用しない手はありません。
新たなアイディアの創出により、我われの持つ技術を大いに活用し、棲みつく業界市場を増やしていこう!と考えています。
「新市場開拓」は会社の生き延びるために大変重要な戦略の一つなのです。
さらには、上記の例の多くは「下請け市場」から「自社製品市場」への転移でもあるのです。
たとえ下請け業務であっても、今の、目の前の、懸命な取り組みによって専門技術は昇華します。
「今の業務を懸命に取り組むこと。
そして特定分野の専門技術を身につけること。
その身に付けた専門技術の転移による自社商品を懸命に考えること。」
そしてそれが、新市場開拓へと繋がっていくのだと思います。
「市場の多角化」とは「今の業務を懸命に取り組むことで可能となる」のです。
また、顧客の斜陽化にも気をつけなければなりません。
うちの会社では特定の企業に取り付くいわゆるコバンザメ商法を一切嫌ってやってきました。
例えばAグループ企業といい関係だったときも、Bグループ企業からの業務が増えてきたときも、Cグループ企業から依頼をたくさん頂いたときも、いずれの際も特定企業だけに染まることは避けてきました。
得意先の斜陽化による影響をもろに受け経営難に陥っている企業は数多い中、私たちは上手にそのリスクをかわして来た自負があります。
出来の悪い営業マンほど特定の顧客とばかり付き合おうとします。
ひとつの顧客に集中した方が営業はラクチンになるからです。しかしリスクは増大していきます。
お客様は私たちのような業者の都合に合わせて仕事を下さるのではありません。必要がなくなればバッサリなのです。
特定の企業からどんなにおいしいお仕事を頂けたとしても、コバンザメには絶対にならず、多くの顧客を持つことに専念することなのです。
一つでも多くの顧客を大切にしなければならないのです
「特定技術に集中し専門化し、
特定業種の柱をもち、市場の多角化を計りながら、
特定顧客に集中せずに分散させる。」
これが現在のわが社の戦略です。
そんなことを考えながら日々、多角化のアイディアを練っているところです。
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