ネクストビジョン ありまです。
私はかつてIT系の専門学校で教鞭を振るっていた時期があります。情報処理技術者試験対策を中心として、ITに関わるあらゆることを教えるためいろいろ勉強したものです。
その教科のなかに「OR(オペレーティングリサーチ)」というものがありました。広くは経営工学とも呼んで生産活動や販売活動などあらゆる現場で役立つ理論が含まれていて、とても興味深い内容であり、現在、経営者となり振り返ってみても、とても役立つ内容が含まれているなと実感できる教科でした。学校ではもっとしっかり教えてほしいし、経営者を目指す方ならもっと関心を持ってほしいと思う内容ですね。
※オペレーティングリサーチ:数学的・統計的モデル、アルゴリズムの利用などによって、さまざまな計画に際して最も効率的になるよう決定する科学的技法~wikipediaより~
そしてこの教科の中に「ゲームの理論」という章がありました。
※ゲームの理論:社会や自然界における複数主体が関わる意思決定の問題や行動の相互依存的状況を数学的なモデルを用いて研究する学問である~wikipediaより~
ゲーム大好きの学生たちはこの章がはじまるやいなや、やる気に満ちた雰囲気になるのですが、あまりに数学的で理論的な講義が進むので次第につまんなさそうな顔になったものです(苦笑)。。
さて前置きが長くなりましたがこのゲームの理論、簡単に言えば「もっとも儲かる意思決定をする理論」ということになります。それを数値的に求めるのですが、計算式はさておき、結論を言うと、
「ハイリスク・ハイリターンを選ぶよりも、ローリスク・ローリターンを選んだ方が、長期的には必ず儲かる」
という理論なのです。
あたりまえじゃないか、と思わるかもしれませんが、目先の利益を考えちゃうとついついそのリスクがはっきり見えなくなってしまうものです。
ちょっぴりの利益であっても、確実に儲けられる方の選択をし続けたほうが、長期的には確実に儲かることを数式的に証明してくれるのがこのゲームの理論なのです。
アメリカのフォーブス誌の長者番付に1986年以降ベストテンに入っている大富豪である投資家、ウォーレン・バフェットという人が、インタビューで儲ける秘訣についてこう答えたそうです。
「儲ける極意は、一にも二にも損をださないことだ」
これもあたりまえのことですが、これが実に難しいことです。
事業をやっていると、どうやっても損がおこらないということはあり得ないのです。
損をするとそれをとりかえしたくなっちゃってさらに無理な投資や無理な判断をしてしまいがちです。
冷静になって目先だけの利益を考えたりしていないか、大きなリスクを抱えてはいないだろうかと自問自答したいところですね。
彼は株式投資において、「目先の大きな利益よりも、将来長期にわたっての小さな利益の方が必ず得をする」とも説いています。
まさにゲームの理論。
やっぱり堅実な経営が結果うまくいくのでしょう。
あせらず背伸びせず、確実な判断をしていきたいものです。
最近、採用活動において学生たちの就職活動をはたから見ていましても、学生たちは目先のことに翻弄されてないかな?と感じることがあります。
待遇や会社の実績は確かに気になることと思います。けれども君たちが就職するのは来年の4月。社会環境は激しく変化しているので来年には待遇も会社の業績も大きく変わってしまうもの。すると今の実績は過去の実績となるわけです。本当に必要な情報とは将来にわたって働き続けられる会社なのか?もしかしたら目先の待遇よりも健康で長く働くことのできる職場環境のほうがとても大切なことなのかもしれませんね。
あせらず背伸びせず、確実な判断をしてほしいものです。
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