仕事は少なくても人手は増える?~パーキンソンの法則~

ネクストビジョン ありまです。

パーキンソンの法則とは、1958年、英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンの著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱された法則です。役人の数は、仕事の量とは無関係に増え続けるというものです。
~Wikipediaより~
※パーキンソン病というのがありますが、今回取り上げる「パーキンソンの法則」は、この病気とは一切関係ございません!
パーキンソン氏は、英国の官僚制を幅広く観察したその結果この法則にたどりついたそうで、たとえば、イギリス帝国は縮小していたにもかかわらず殖民地省の職員数は増加していたり、軍縮で海軍が縮小せざるを得ない時に海軍省の役員は増えていたそうです。
必要もないのに部下を持ちたがったり、互いに仕事をつくりあったりして、仕事はなくても人と予算は増え続けていくことがあるのです。
そういえば2001年に大掛かりな行政改革が行われ中央省庁が再編されました。それまでの1府22省庁が1府12省庁にシンプルなったのです。
縦割り行政による弊害をなくし、事務および事業の減量、効率化することが目的でしたが、省庁がこれだけ少なくなったにもかかわらず、予算も人材も減ることはなかったんですよね・・・。
パーキンソンの法則その1
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
わかりやすく言えば、
「人間は与えられた時間を全て満たすまで使ってしまう」
ということです。
わかりやすい例を挙げれば、「夏休みの宿題」です。「夏休み最終日に慌てて宿題を終わらせた」なんていう経験はありませんか?
※私は毎年最終日に慌ててやっていました。(笑) 
本来ならさっさと終わる仕事も与えられた時間ギリギリまでかけて仕上げたり、わざわざ複雑にしたりするころがあります。
毎日3時間の社員の残業を減らすために、仕事量を減らしたところで、残業時間はなかなか減らないも、この「パーキンソンの法則」そのものなのです。
「仕事を減らす」ことも対策として必要なことですが、それ以上に作業ひとつひとつの手順の簡素化だったり、時間をかけずに作業する仕組みづくりにパワーを使うことが大切なのです。さらに必要なのは社員の意識改革をしないと「パーキンソンの法則」から脱却することはできないのです。
現在「働き方改革」が叫ばれていますが、仕事の量だけで結果をコントロールしようとしたって決してうまくはいかないんですね。
そして、面白いもので1ヶ月半の期間があった場合と、数日しか期間がなかった場合で仕事のクオリティは大きく変わらないものです。
※ただし、どんなに頑張っても時間がなければできない仕事もあるので、もちろん時間を短くすることに限界はありますが。。。
つまり、「無駄に期間を先延ばしすることは意味がない」ということです。
パーキンソンの法則その2
「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
別な言い方をすると。
「ある資源に対する需要は、その資源が入手可能な量まで膨張する」
ともいえます。
よく小遣いもらったらもらっただけ使い切っちゃう人いますね。収入もあればつかっちゃうなんて人。。
貯金ができないひとはまさにパーキンソンの法則に乗っかっている人ですね~
もっとわかりやすい例を挙げれば、
「どんなに大きな冷蔵庫を買っても、必ず満杯になる」
なんてことないですか?
コンピュータでも同様ですね。
「ハードディスクの容量を大きくしてもしばらくすればすぐに満杯になってしまう」
「CPUパワーが乏しく動作が遅いので最新のPCにしたがアプリがすぐ一杯になり動作が遅くなる」
「会社が賃借して使っているビルテナントのフロアが手狭になったので別の階のフロアを増床したが、すぐにいっぱいになり手狭になった」
これもパーキンソンの法則そのものなんですね。
つまりは「足りないから増やす」という対策も必要だけれでも、ひとつひとつの無駄をなくす根本的な見直しと意識を変えることが大切なのです。
量や容量でコントロールしようとしたって決してうまくはいかないのです。
応用編
「仕事が忙しくてなかなか遊びに行けない」という人いませんか?そんな人は仕事が少なくなっても遊びには行くことはできません。
買った本がなかなか読めない。「時間ができときに読もう」では決して読むことはできないのです。
大切なのは、〇日に遊びに行こう、〇日に読もう。そう先に計画を決めること。
計画に合わせて仕事や時間を考えなければ、やりたいことはうまくできないのです。
お客様への訪問も「準備ができてから訪問しよう」ではなかなか訪問できずになります。完璧な準備が「いつか」になっちゃうからです。
まずは訪問する日を決めること。そしてそれに合わせて具体的に計画をたてることですよね。
対策
パーキンソンの法則を理解して仕事の生産性を高めよう!
ということで対策方法です。
「細かい締め切り」を設ける
例えば、1時間で資料を作るとか、午前中にここまでのタスクを終わらすとか、10分でメール返信を終わらすとか、なるべく細かく締め切りを設けることでダラダラとやることを防げます。
「とりあえず今日中にメール返信しておけばいっか」という考えでは恐らく夜までメール返信はしません。しかし、「10分以内にメール返信を終わらす」という締め切りがあれば急いで終わらせると思います。
まずは朝一でその日やらなければいけないタスクを並べて、どのタスクを何時までに終わらせるのか締め切りを細かく決めてしまうことで、大幅に生産性は高まります。
100%完璧じゃなくてもいいから「とりあえず完成させる」意識を持つ
何か仕事をする時には「どうせやるなら100%完璧にやりたい」と思うことってあると思います。これ自体は別に悪いことではないですし、むしろ丁寧な仕事をするという意味でも非常にいい心がけです。
しかし、それに比例して「時間がかかってしまっては」一概に良いこととは言えません。
100%完璧に仕上げる為に1週間2週間とかかってしまうよりも、一先ず1日で何とか形にして完成させる方が生産性は高いのです。
もちろん、どんな種類の仕事をするのかにもよりますが、1日で何とか形になっていれば、例えばそこから更に修正することもできたりします。修正にもう1日使ってもまだ2日です。最初から1週間2週間かけてしまうと、そこから修正となれば更に時間がかかりますよね。
「まずは完成させる」という意識で仕事に取り組むと格段に生産性が上がってくるはずです。
常にパーキンソンの法則を意識する
そして、常にパーキンソンの法則の存在を意識しながら仕事をしてみましょう。日ごろからパーキンソンの法則を意識していると、「あ、いま無駄に時間を引き延ばしてるな」と気がつく時があるはずです。
そんな時はしっかりと締め切りを再設定して、なるべく早く終わらせることを意識しましょう。この意識をもっているかいないかはとても大きな違いです。この意識を常にもって仕事をしていると、ダラダラと残業をすることがバカらしく感じてくるはずです。
最後に
人は「楽がしたい」できるだけ「楽」になるよう意識的にも無意識的にも動いています。
楽をするために努力をする場合はいいのですが、時間やお金や資源はあればあるだけ使っちゃうんですよね。
だから時間や量で人をコントロールすることは難しいことなのです。
しっかり具体的な対策や意識改革をしていかないと、ぐーたらな官僚的組織になっちゃうと全身の筋肉が徐々に動かなくなる病気のような組織になっちゃいます。
パーキンソンの法則を理解して、組織のパーキンソン病対策をしないとね(笑)
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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