来年1月にVistaが発売されますね。
Microsoftからの5年ぶりの新OSだけに、
また世間を一世風靡させるのでしょうか
それとも大ひんしゅくの嵐になるのでしょうか?
楽しみのような怖さがありますね。
ご存知の方も多いでしょうが、あの有名な「マイクロソフト神話」といわれる
物語が新聞記事に載っていましたので私見も交えながら紹介します。
・・
私が学生のころ(約20年前)PC用OSといえば、
デジタルリサーチのCP/Mが主流でした。
その当時、私はプログラマをしていて(バイトでしたが)
このCP/M上でBASICやCを使って仕事をしていたものですから
懐かしいものです。その後登場するMS-DOSより遥かに使い易かった…。
その転機となるのが1981年、米IBM社のPC市場への参入です。
当時ベンチャー企業の米アップル社の「AppleⅡ」の大ヒットに
危機感を覚え、そこで開発期間を短縮するため、必要な
ソフトウェアは全て外部から調達する方針をとりました。
そこで、「BASIC」のインタプリタ実行環境の開発に定評のあった
当時のMicrosoftにOSの開発を依頼しようとしたのです。
(当時のIBM担当者はBASIC環境とPC用OSの違いもよくわかってなかったらしい)
ところが当時のMicrosoftには自前のOSは無く、新たに一から開発する
余力も実力もなかったのです。
そこでビルゲイツはデジタルリサーチの社長のキルドール氏を紹介しました。
IBMはCP/Mを提供してももらう交渉を始めることになったのですが、
交渉の段階でつまずくことに・・・
なんと、キルドール氏が自家用飛行機遊びに夢中になっていてIBMとの契約日のアポを
すっぽかしてしまったのです。
(諸説あるがこれが有力 ビルゲイツの本にも書いてある)
デジタルリサーチとの交渉をあきらめたIBMは再びMicrosoftに開発を依頼します。
ビルゲイツはこれを千載一遇のチャンスと考えて、
シアトルの小さな会社が開発していたOS「86-DOS」の権利を5万ドルで購入する。
さらにその開発者に依頼して「PC-DOS」として改造。これをIBMに供給したのです。
IBMのIBM-PCとかPC/ATとか名づけられたこのコンピュータの名称は
PCという現在の一般名詞になるほどIBMのPCは世界中で売れました。
それと同時にMicrosoft社がつくった(ことになっている)PC-DOSは
PC用OSのデファクトスタンダードとなるわけです。
そのうちIBM互換機なるアンダーグランドなマシンが登場してきます。
Microsoftは著作権までは手放さず、ソフトの使用許諾権を与える契約でしたから
「PC-DOS」は「MS-DOS」として、Microsoft直で売り出したことで
IBM互換機にもつかえるようになり、この分野での絶対的な地位を
確立するしたといえます。
ここまでの出来事はたったの5年間の出来事でした。
そして1984年にAppleが「Macintosh」を発売すると、これまで得た莫大な資金を使って
「Windows」を開発。
日本にはVersion2から来日。たしか私も試しに使ってみた記憶が…
(だれも相手にしてくれませんでしたが…)
その後「Windows3.1」あたりから注目されるようになり
1995年の「95」でフィーバしたわけです。
・・・
あれから四半世紀。
キルドール氏がIBMとの約束の日にきちんと出席していたら・・・
シアトルの会社が「86-DOS」の権利を売らなかったら
IBMに「PC-DOS」の著作権を渡していたら・・・
もしかしたら今のパソコン市場が変わっていたきっかけや
今のMicrosoftが無かったかもしれないきっかけはたくさんあります。
人は「運のいいやつだ」とか「実力ではない」とか色々なことを言います。
私は逆に極めて高い技術力がなくても最低限必要な技術力があれば
成功できたということが、我々に勇気を与えてくれたと考えます。
そして私は、あの日千載一遇のチャンスと考えて行動したビルゲイツを高く評価したい。
彼が起こした行動は偶然なのではなく、
自らが運を呼び込みそれを活かす活動をしていたのです。
私もそんな伝説が作れるような活動をしたい。
そのように考えています。
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