プーチンに学ぶ正しいワンマン経営

ネクストビジョン ありまです。

新型コロナの第6波の感染拡大がやっと落ち着き始めたとおもってたら、こんどはロシアのウクライナ侵攻で世界は大変なことになってしまいました。
ほんと、プーチンさんどうしちゃたのでしょうか。
トップが力をつけすぎると、だれも反対意見が言えなくなります。トップを怒らせると怖いので不都合な情報は過少な報告をするようになり、良い情報は過大に報告するようになります。部下が情報操作をするようになるのです。そして正しい意思決定ができなくなってしまう。そんな間違えを間違えと教えてくれる人がいないような組織は必ず崩壊してしまうことでしょう。
人はだれでも間違いはあるもの。長けた能力もあれば、劣る部分も絶対あるはずです。だけど、力を持ちすぎたトップは自分の劣る部分を見せたがりません。プライドや立場が邪魔して、間違いに気づいても、後戻りすることができなくなります。側近も反対しない。不都合な情報はあまり入ってこない。だから意地でもやりとうそうとする。世界中を敵にまわしたとしても・・・
あ、ワンマン経営者の話です(笑)
ウクライナの有事については思うところ沢山あるのですが、ここのところのプーチンさんを報道で見ていて、経営者としても学ぶべきところがあるなぁと感じているところです。(もちろん反面教師としてですが。)
ワンマン経営というと、トップが全てのことに権力をふるって勝手なことをしている印象があります。上に立つ者が勝手に決めて勝手に好きなようにしている様子は、現場の者から見れば心地よいものではありませんね。
ですが、本当の意味での「ワンマン経営」とは、俗にいわれるワンマンとは全く意味が違っています。正しい意味は「トップただ一人が事業経営の全ての責任を負う」ということなのです。
ソフトバンクの孫正義社長にしても、ファーストリテイリングの柳井正社長にしても、楽天の三木谷浩史社長にしても、アップルの故スティーブ・ジョブズ会長にしてもグーグルのエリックシュミットCEOにしても、ベンチャーで成功したあらゆる企業のそのほとんどの優良企業が、「正しいワンマン経営」を実践しています。だからこそ成功しているのです。
会社がつぶれたときの責任は、「トップただ一人」にあります。これこそが文字通りの「ワンマンの責任」なのです。
わが社の経営の基本的な考え方は「多くの意見に耳を傾け、最終決定はトップただ一人がする(独裁)」です。
物事を決める際、ただ一人で考えて一人で決めてしまうこと。これを「独断」といいます。
物事を決める際、仲間の意見を可能な限り十分に聞く。その上で最終的な決定をトップ自ら決める。そして自らが決めたことに自らが責任をとる。
これが「独裁」であり、これこそが「正しいワンマン経営」と言えるのです。
正しいワンマン経営とは、「独裁すれども独断せず」なのです。
トップはトップが知らないところで起こったことであっても、全ての結果について全責任を負わなければなりません。
何がどうなっていようと、その責任から逃れることはできないのです。
結果責任は全てトップ一人がとらなければならない。だからこそ、全ての判断はトップが下さなければならないのです。
「決定したものが全ての責任を負う」
これは至極当然のことです。ワンマン決定とは権力の表れではありません。「責任の表れ」なのです。
また、トップの行う決定は全ての人が喜んで賛成してくれるとは限らないもの。
いろいろな反対を押し切るという苦しい決定であるその苦しさは、反対を押し切られた側よりも押し切る側のほうがはるかに大きい・・・。
その苦しさに耐えなければならないのが経営者というものなのです。
もし企業が合議制や多数決という民主的な意思決定手法を取ったとしたらどうなることでしょう。迅速に、そして強い信念でリスクや危険をいとわず正面から立ち向かわなければならない時に、多数決での合議決定で、迅速な決定ができるでしょうか。みんながリスクや責任を一緒に背負ってくれるでしょうか。
なによりも「責任を取りたがらない」人は多いもの。だからみんなで決めるとたいてい無難な方を選ぼうとするのです。
「本当はこうしたほうがいいけどなぁ。だけど強く主張して責任を押し付けられるのは嫌だよなぁ」
だからみんなが手をあげる方に自分も手をあげる・・・・結果、間違った方向にみんなで向かっていくことになる・・・。
こういう現象をグループ・シンク(集団浅虜)と言います。
※集団浅虜:集団で決定された意思や方針の質が個人で考えたものよりも劣ってしまう現象
グループ・シンクを起こさないようにするためにも、意見や情報をしっかり集め、あらゆるリスクはトップただ一人が受け止め、トップが決断していかなければならないのです。
正しい経営とは、
「全ての正しい情報がトップまで届く伝達通達機能がしっかりしており広く意見を集め、決定はトップが行い、トップが決めたことに全社員が責任をもって行動する。」
こういう仕組みがしっかりできている会社こそが、成長し生き残っていくのでしょうね。
最期にもう一つ、「全ての正しい情報がトップまで届く」ようにするためにはどうすればいいのでしょう。
それは「怖がれない」ということです。悪い情報を隠したりごまかしたりされないトップの姿が大切です。
つまりトップは「ありのままでいい」んです。
トップ自身が自分の短所や弱みをごまかさず、オープンでいること。正直に。
そしてもし間違えがあったら「私が悪かった、間違えだった。申し訳なかった」と素直に言えること。それが一番大切なのじゃないかなと思います。
トップが正直でなければ正しい情報は入ってきません。
トップが誠実でなければ誠実に人は対応してきません。
社員さんとトップの関係とは鏡のようなものなんですよね。
いつかプーチンさんが「自分が間違えていた申し訳なかった」と言ってくれる日がくることを願いたいものです。
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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