ネクストビジョン ありまです。
先日、一般社団法人広島県情報産業協会(HIA)の仲間たちと、2月13日~16日まで視察研修にいってきましたので今回はその報告です!
今回で7回目となるHIA海外視察は、シンガポールでした。
よく「海外旅行で見識が広がり、今まで見えなかった日本の悪いところや良いところに気付くことがある」と聞きますが、今回の視察もまさにそれを強く感じた旅でした。
いつもどおり、ジェトロでのセミナーを拝聴し、キヤノン様、富士通様へと企業訪問をさせていただき、現地で働く皆さんの生の声をお聞きしての視察研修でした。
また、これがいいんですよね。普通の海外旅行では現地の人の生の声を聴くことはほとんどありませんから。風景を眺めるだけでも、そうした見識を頂いてみる眺めとそうでない眺めではウンデーの差があるわけです。
ではそんなシンガポールはどういう国か。ちょっと概要を。
・国名 シンガポール共和国
「シンガ」はライオン
「ポール」はもとは「プーラ」といい、町を意味する。
つまり「ライオンの町」
・建国 1965年8月9日⇒国ができてまだ53年!
・広さ 719.2km2
広島市は906.5 km2、なんと広島市より狭い!
東京23区は626.7km2、東京23区よりちょっと広い。
・人口 561万人(2015年調査)
広島市は120万人 (2015年)なんと広島市の4.7倍!
50年前は200万人に満たなかったのが3倍近くまで成長!
・国民一人当たりのGDP 85,382ドル(2015)
日本はというと・・・38,428ドル(2018) なんと日本の2.2倍
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さらに、シンガポールは世界有数の金融センターです。国際金融センター発展指数では毎年4位か3位!
日本はかつてニューヨークロンドンを次ぐ世界3位でさらに2位を目指してたはずが、現在は香港・シンガポールに越されて5位まで落ちています。
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会社で言えばまさにベンチャー企業。小さいが持ち前の努力と特技を生かして急成長してのし上がったIT企業のようでもありました。
それに、シンガポールは、ロンドン、パリ、バンコクに次いで、 世界で4番目に外国人観光客が多く訪れる都市なのだとか。
2014年にシンガポールを訪れた観光客は1247万人で、東京の538万人よりも2倍以上の観光客数が訪れているのです。それだけの魅力がシンガポールにはあり、それだけシンガポールの国・政府が観光に力を入れているとも言えます。
とても美しい街で、写真家でもある私はとても写欲を刺激されたわけですが、このきれいな街には訳がありました。
それは・・・「とてもルールにキビシイ」ということです。
例えば
「ガムの持ち込み・使用厳禁」没収・罰金
「電子タバコ持ち込み・使用厳禁」没収・罰金
「タバコのポイ捨て厳禁」 罰金10万円
「指定場所以外での喫煙厳禁」罰金3万円+α・・・ホテルの中やレストランでも吸える場所などありません
「ハトの餌あげ厳禁」罰金
「公共トイレの水を流さず立ち去り厳禁」罰金
さらにびっくりしたのは
「地下鉄の構内や乗り物の中での飲食厳禁」罰金3万円
ペットボトルでお水を飲んでも捕まるというからビックリです!
もっとびっくりしたのは、タバコを吸っていて捕まったら罰金だけでなく「むち打ちの刑」に課せられるとのこと!
これは観光客が減ってはいけないのであまり情報がはいっていませんが、むしろ見せしめに海外の人が捕まることが多いらしいです💧
このように街の景観にはびっくりするぐらいルールにキビシイのです。
スラム街もなく、貧困層はなく、雑居ビルもなく人々は幸せそうで、とても街は奇麗で、未来を感じる都市国家で、世界中から優れた技術と優れた人材、そしてお金持ちがあつまる街、シンガポール。
小さな川洲にできた水すら取れない資源のない小さな国が、建国からたったの53年でどうしてここまで発展できたのでしょうか
私が今回の視察で最も心を打ったのは、建国の父リー・クアン・ユー氏の言葉でした。
「私がしてきたことはたったの二つ。1つ目は、きれいにすること。2つ目は、優秀な人材を呼び寄せるということ。」
1つ目の「きれいにする」とは文字通りの町を見ためきれいにするということだけでなく腐敗をなくすということでもあります。
2つ目の「優秀な人材を呼び寄せる」は、資源のない国だからこそ、技術力や経済力、金融力が必要だったということでもあるのです。
この二つが言うならば国を運営する上での基本方針だったのだと思います。
会社で言えば、経営理念です。
いうならば「環境整備」と「優秀な人材確保」を経営の最重要課題としたわけです。
この方針を徹底して行った、その結果としてたったの53年での世界有数の金融都市国家・観光都市国家となれたのではないかと思います。
本当に大切なのは、しっかりした方針を定め、方針通りに徹底してやり続ける。
こうした姿勢がある会社こそが成長しつづけられるのだろうな、そのように感じました。
日本という国家にとっても、またわれわれ中小企業の経営者としても多分に見習わなければならないことではないでしょうか!
最後になりますが、視察を企画していただいたHIA海外視察部会の藤田様、お世話をしていただいたスタッフの皆様、シンガポールの視察先の皆様に心から感謝いたします。ありがとうございました。
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