「何のために」を意識しましょう

皆さんはどんな場面で、何をするためにパソコンを使っていますか?
決して安くはない買い物をするときには、
必ず「何かをするために」という目的があるはずです。

11年ほど前、「Windows95」の登場時にはそんな基本的なこともわ
からずに、たくさんの人が何万円というお金を投資していたことがありました!!
テレビや雑誌で大々的に繰り広げられたキャンペーンがあったからだと思います。
まるで魔法の箱か、あるいはテレビのような家電製品のように感じさせられたものです。

クリックひとつで今までの生活がすべて変わってしまうような、とてつもない不
思議なテクノロジーのように感じた方もいたのではないでしょうか。

かつてパソコンスクールを経営していた頃、
通ってこられる初めてパソコンに触れる方
(今ではすっかり少なくなってしまいましたが)に、
私は必ずこう言うことにしていました。

「目の前にあるのは魔法の箱でも、優れた頭脳の持ち主ではありません。
自分では考えることのできない、指示されたことしかできない単なる道具です。」

パソコンに向かって何かをする場合、作業上の原則があります。
それは、「対象を選択した後、仕事を指示する」ということです。

何気なく、普通にパソコンを使っている時には気がつきませんが、
必ずこの方法を取らなければ何もできません。
ワープロで文章を打つときも、打ちたい場所にカーソルを動かしてから
キーボードを叩きます。
表計算ソフトで、画像処理ソフトで、すべてこの原則をはずしてしまっては
何もいうことを聞いてくれない、どうにも使えない道具となってしまいます。

さて、もう一度...
みなさんは何をするためにパソコンを使っていますか?

パソコンが普及した背景には、その「何をするために」という目的がしっかり
している人が増えてきたからではないでしょうか。

「パソコンを使うこと」が目的ではなく、パソコンを使って
「写真を加工する」ことや「音楽を楽しむ」ことが目的となり、
道具として使っていこうという明確な意思の現れだと思っています。

そして、それが一番大切なことであるということが認知されてきたことだ、
とてもいいことだと、ひとり勝手に納得しています。

私は現状を分析し、それを機械化(コンピュータを導入することです)することで
定型業務の効率化・省力化を図り、企業の収益に貢献する。そのために、コンピ
ュータの成り立ちや原理というハードウェアの知識や、いかに仕事をさせるかと
いうソフトウェアの仕組みやその作成技術(システム設計やプログラミング)が
要求される場所から、この「パソコン」の世界に踏み込んできました。

2進数や16進数も理解できずにコンピュータが使えるか!という場所から、
「そんなことどうでもいいので、ワープロの使い方を簡単に教えて」という世界
へ来た時の自分自身の混乱を今でも鮮明に覚えています。

冒頭の質問は、実はいつも私が自分自身に問いかけている質問でもあるのです。
目的なくして成果は出ません。そして、成果があったと思ってもらうのは、その
「目的」を果たすことができたときだけです。

日常の業務も、常に「何のために」を意識して仕事をしてください。
それがあるのとないとでは、
その結果は随分違うものになってしまうものですね。

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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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